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アレフ

ホルへ・ルイス・ボルヘスの「アレフ」という短い小説を読んだ。アレフという名の小さな球体をめぐる話。「アレフ」という語はヘブライ語のアルファベットの最初の文字である。同名の宗教団体の方が今では有名かもしれない。因みにそちらの団体名もこのヘブライ語から取っているようである(ホームページによると)。さてそれは世界中が映りこむ不思議な球体である。「アレフの直径は恐らく二、三センチメートルにすぎなかったが、そこに全宇宙が、縮小されることもなく、そっくりそのまま包含されていた。」占い師の水晶体のようなものである。その球体の話を読んでいたらグーグルアースを思い出した。世界中が一瞬にして覗き込めるその速さと正確さはアレフそのものである。50年以上も前の奇想天外なお話が今では普通の現実になっているという一例である。

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