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10年前より新しいこと

火曜日は9時から昼までゼミ、昼食後18時まで製図、18時半から院生ゼミ、今まで(22時半)。13時間長距離マラソンである。ふー。

昨日長野に向かう新幹線の中で読んでいた本のあとがきにこう書いてあった。
「ブラームスはブルッフのヴァイオリン協奏曲(1番か2番は不明)を聴いて、こう言ったそうだ。『こんなのでいいなら、私は10年前に書いている』。筆者も本書を読み返してみて、自分自身に向かってそういいたくなった・・・・・・・」
昨日ある原稿を出版社に出してきた。出版社が事務所のそばなので散歩がてらもって行った。原稿でも建築でもそうなのだが、これでできたと思うたびにその日の夜、次の日の朝、とてつもなく憂鬱な気分になる。「こんなのでよければ10年前に考えていた、作っていた、やっていた、」そう考えて滅入るのである。
オリジナリティの望めない現代社会において、創作物の独創性など微差の集積でしかない。ここ数十年間。これは見たことも無いなどというものに出会ったことはない。40年以上も生きていればしょうがないことである。そして自分の創作物を思い起こし、その僅かな差を確認し少し安堵するだけである。

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