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松林図屏風が見られるぞ

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国立博物館に国宝の部屋があるが、今は長谷川等伯の松林図屏風が見られる。こういうものは出てるときに見ておかないと一生その機会に出会えないわけで、とにかく行く。よく言われていることだろうが、この絵は本物を見ないと分からない。何が分からないかというと、遠目から見た筆触と、近づいた時のそれがまるで違うというところである。遠目ではとても柔らかな濃淡の塊に見えるのだが近寄ると、とても荒々しい筆遣いが見て取れるのである。赤瀬川的に言うと「乱暴力」である。これは竹を割って作った竹筆も使っているとのこと。この荒々しいタッチは竹であろう。しかし、竹を使ってこれだけ荒々しく描くと紙が破けるのではと想像するのだが、どうもそこが素人の浅はかさのようである。書をやっている人間に言わせると、荒れた線こそ渾身の力を腕の筋肉に蓄えながら、筆は紙の上をまるで小動物をなでるかのごとく優しく運筆させるのだそうだ。なるほど。
さてこれもよく言われることだが、桃山の当時、狩野・長谷川は2大デザイン企画事務所だったそうで、電通対博報堂のようなもの、仕事を取るためには必死で時の権力に取り入ったようである。そうした生々しさがこの絵には伺えないが。

国博を駆け抜け、東海大の岩岡さんのオープンハウスに行く。木造三階建130㎡くらいの住宅である。平面中央に螺旋階段があり四葉のクローバーのようにその階段の周りに床がある。床は全部で13枚くらいくっついている。しかしそんなこと理論的に可能?4分の1層上がるごとに床があったら頭がぶつかるでしょう。そうぶつかるような収納室と呼ぶ階高の低い階があるのだ。それら13の床は風呂とトイレを除けば空気は繋がっている。この連続感は眩暈がしそうである。岩岡さんらしい。岩岡さんは松本出身の人。今度信大にも遊びに来てもらうようお願いをして退散。

3時頃帰宅。読書。ベーメの『感覚学としての美学』を読む。7時頃かみさんがピザを買って帰宅。夕食後長野に。寒いので億劫であるが、朝出かけるよりまし。

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