第11講お題
そろそろばててきた。この講義はやる方も体力がいる。パワポを使っていないこともあり話の流れが頭に入ってないと繋がらない。そんなの教師の仕事だから当たり前のことではあるが、、、。さて今日はこの本の2つめのビッグサブジェクト、「空間」である。今日の一番の大きなポイントは皆が当たり前のように使っている建築の評価基準のひとつである「空間」という概念は社会が(建築関係者が)取り決めた建築の1つの見方に過ぎないという点である。例を挙げてみよう。空間の美を自らの建築の中心的価値においていた篠原一男の弟子である坂本一成の名作代田の町屋ができたとき篠原研の面々の一人武田光史は「この建物には空間が無い」と言って批判的な感想を述べたそうである。しかしその後建築は坂本の慧眼が予期したとおり空間から物や場へと移っていってしまった。空間を通して建築を批評するという時代は全面的ではないにしても過去のものとなっているのである。このように建築の価値付与とは普遍的なものではない。その暫定性をわれわれは常に柔軟に受け止めないといけない。
そこで皆に聞こう。「ある対象はある時代はAという価値観で評価されていたが現代その対象はBとい価値観で評価されている。そうした事例をきちんとした史実を調べその典拠を明確にして回答せよ」