第一講お題
第一講お題
本日のテーマは建築の質料性に関するものとしての「肌理」だった。そして本来近距離で眺めるものとしての肌理の概念を、建築の特性から遠距離に見えるものまで含め拡張した。その上でこの肌理の存在理由について実例を交え考えてみた。アフォーダンスの話からタウという概念を取り出したり、あるいはヴァレリーが指摘するようにものの多様性の表出など考えるヒントを提示した。ところで肌理とは仕上げの表面の文(あや)であり、文とは文様の文の字である。つまり装飾と呼ばれるものに限りなく近い概念といえる。その意味で現代建築がこの肌理を重要視するということはモダニズムの白い豆腐建築では無視されてきた装飾を見直そうということでもある。
そこで今日の問いだが、肌理とは何故存在するのかあるいは何故必要なのか(あるいは不要なのか)少し拡張して、装飾とは何故存在するのかあるいは何故必要なのか(あるいは不要なのか)考えて欲しい。