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ジャクソン・ポロック展


国立近代美術館でジャクソン・ポロック展が始まった。ポロックはいろいろな企画展でちょくちょく顔を出すし、世界中の近代美術館にも少しずつある。でもまとまった量を一度に見たのは初めてである。彼の歴史がよく分かった。
かの有名なポーリングを使った制作風景がビデオ上映されていたので全部見た。彼は数時間(恐らく一日中)刷毛を缶に突っ込んでキャンパスの上で、垂らす、叩きつける、曲線状に流すという数種類の動作を延々とやっている。見ている方が飽きてしまう。果たして本人は飽きないのだろうか?
もちろんそうした単調な繰り返しがあの多中心で焦点の定まらない画面を作り上げるわけである。それにしても、この繰り返しの途中で缶のペンキを全部ぶちまけたいというような衝動にかられないのだろうか?
実は抽象的ポーリングの次に彼はブラックポーリングと呼ばれる、黒のみ使って余白も見えるやや具象的な墨絵のような時代を迎える。それはポロックの凋落と呼ばれる作品群だそうだ。しかし今回これがとても素敵に見えた。
抽象に飽きた結果がこれである。モダニズムアーテイストは皆抽象に飽きた時に次への光明を見出すのだと僕は思うのだが。

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