オルジャッティ展
先日東京都現代美術館で「建築アートが作り出す新しい環境」展をみてコラムにこんなことを書いた。
「建築の展覧会はどんなに頑張ったって「そのもの」があるわけではないから・・・
① アーティストとなって建築とはおよそあまり関係ないものを創作する
② 建築創作の思想をそれに代わる詩的言語あるいは造形物で代替する
③ 徹底して本物を彷彿とさせる何か(映像だったり巨大模型だったり)を提示する。
この中で①は本当のアーティストには勝てないのでやめた方がいい②は伝わらないのでやはりあまり得策ではない。だから③をやるのが賢明だ」と
そしたら現在国立近代美術館(竹橋)で行われているヴァレリオ・オルジャッティ展で彼が同じようなことを言っていた。
そこにあったのはプロジェクトごとに①1/33という不思議スケールの模型②詳細ドローイング③スライドショーのボックス④彼が啓発をうけた図像学的自伝と呼ぶ写真である。
このセットを見ると実にその建物がよく分かる。まさに建物の再現努力である。
建築の展覧会はこうあるべきだ。
それにしても彼の建物はとてもいい。大好きだ。建物をこれだけ造りこまずにできたら最高だ。殆ど輪郭線だけでできている。間仕切り壁のある建物なんて殆どない
しかしこれらの建物がこれだけシンプルなのは建物用途がシンプルだからだと言う気もする。一体かれが複雑機能の建物を作るとどうなるのだろうか?そんな仕事来たら断るのだろうか?それともやはりざくっと作っちゃえるんだろうか?