下薗詠子「きずな」
コニカミノルタギャラリーで今年の木村伊兵衛賞である下薗詠子さんの「きずな」が展示されている。きずなはもちろん絆であり氣繋である。気持ちが繋がるということである。写真はすべて人物像であり、ひとつだけリストカットされた手だけが写されていた。写真家と被写体の間に気が通ずると言うのは当たり前のことなのだろうが、今日までそういう気持ちで人物写真を見たことは無かった。そういう気持ちで人物を撮るとなると、お互いの気持ちがスパークするような瞬間にシャッターが切られるのだろう。下薗さんの写真はそんな興奮が伝わるものである。