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ひとはなぜ絵を描くのか

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Arts chiyodaで日比野克彦の個展が開かれている。タイトルは「ひとはなぜ絵を描くのか」。彼が世界中を旅行しながら描いてきたスケッチ水彩コラージュが展示されている。日比野克彦の作品をこれだけまとまって見たのは初めて。水彩で近代書のように抽象的に描いたものから、サインペンのスケッチそして比較的具象的に描いた絵までそのスタイルはいろいろある。場所によってその抽象度が変わる。僕はどれも好きだった。でも一番いいなああと思ったのはフランスで描いた一連の室内の水彩画。焦点となる画面中央が比較的正確にそして濃厚に描かれているのだが周辺は淡く消えてなくなるような描き方である。なんだか、目に映る風景の知覚がそのまま色となり形となって画用紙の上に現われてきたような気がした。
人はなぜ絵を描くのか??そんなことは人それぞれでおそらくそんな質問に答えは用意されていないのだろう。人はなぜ建築を作るのか?人はなぜ書を書くのか?人はなぜ音楽をするのか?もっと言えば人はなぜ生きるのかと同じようなことである。

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