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野村仁

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野村仁 <Tardiology> 1968-69年 段ボール 836×316×229cm

国立新美術館で行われている野村仁の展覧会を覗いた。卒業設計から現代の作品までが並べらている。卒業設計は「Tardiology」という難しい名前がついている。なんだ?この単語と考え込むと、彼の造語だと書いてある。遅延という意味合いらしい。段ボールを積み上げた8メートルくらいの塔のようなものである。明らかにこれは学生ならだれでも作れそうな、文化祭の看板のようなものである。京都市芸大の彫刻家の彼の興味はmonumentalなはずの彫刻のmonumentalityを無くすことである。そしてこの段ボールは何日か後には雨にあたり風で揺さぶられ、そしてついに倒れて朽ちていく。その様を10枚くらいのかなり大きな写真におさめ、それが展示されている。そうかきっとこういう朽ちていく物資の様がいろいろと展示されているのだろうと予期して次に進むとそうでもない。一個一個の狙いは皆違う。次は五線譜を印刷したフィルムで月の動きを撮影し、できた楽譜を奏でるというもの。不思議なことにこの音楽が音楽になっているのである。彼は自然の摂理を感じたと言う??最後のほうに嘘か本当か分からないが、何とも不思議な笑える作品があった。7色の発光ダイオードに充てられた数々の植物である。プラスティックケースに入れられている。小さなファンが付いていて換気されている。もちろん生きた植物である。説明よれば植物には好きな色があってその好きな色の光を当てられた植物はよく育つのだそうだ?本当?でも面白い。人間も好きな色をあてられると大きくなるなら便利だが。

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