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レニ・バッソ

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レニ・バッソのステージを初めて見た。前から見たいと思ってはいたのだが、ここ数年東京での公演が無かった。コンセプチュアルな舞台の作り方には定評がある。ものの本ではコンタクトインプロビゼーションに影響されたと書いてある。これは単なる即興ではなく、ダンサーたちがお互いに接触する中であるいは自分の立ち位置の相互関係の中で次ぎの動作が変化するというものだそうだ。実際北村は舞台にグリッドを描きそのグリッドの上で隣に誰かダンサーがいる場合は振り付けを相互で交換するなどの相互関係性をルール化した舞台を作ったという。
今回の新作「パラダイスローグ」もなんとなくこの接触即興というようなものが感じ取れる動きだった。そしてその動きの完成度はかなり高い。更に照明、映像、が見事だった。そもそもこの新作は3つの奇妙なスクリーンに映し出されたオスとメスの金魚が会話をする中でダンスが繰り広げられる。ダンスはこの会話と関係していたりしなかったり微妙な関係を保ちながら進行するのである。その時、この映像ひいてはそれにからむ照明は、一体調和しながら一つの全体形を作り上げているのか、自律生成しているのか不可思議な状態を保っているようだ。
誰かがとても知的なダンスだと言っていた。確かにそうなのだが、十分身体的な強度を感じた。久しぶりに見るダンスだったがとても爽快であった。

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