後姿
サントリー美術館でロートレック展が開催されている。その昔どこかで見たロートレック展より充実しているような気がする
ロートレックはパリの夜のスポットとしてのキャバレーのポスターなどを多く描いた。1864年に生まれ1901年に没した。36年の短い一生である。
ロートレックのポスターを特徴づけるものは何だろうか。例えばモネの色使い、セザンヌの輪郭線に相当するようなものは何か?例えばロートレックはシルエットを多用する。夜の世界の描写なのでそれはさもありなんである。また日本文化を好むロートレックは浮世絵からも多くの影響を受けており、その構図や人物描写に浮世絵との類似点を指摘できるようである。
僕が面白いと思う特徴は、メインの対象が横や後ろから描写される構図である。正面ではなく後ろや横にその対象の特徴を見出すロートレックの眼が面白い。確かに人物は背中や横顔の方がその人らしいことはよくあるものである。