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Bill Viola

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キャサリンの部屋 2001 Bill Viola

ビル・ヴィオラのビデオインスタレーションが森美術館で昨日から始まった。見ているうちに昔どこかで見たものがあることに気づく。どこで見たかは定かではないのだが、その一つは10人くらいの人々が着の身着のままで立っている映像である。よくよく見ていないとそれが動いているものであることに気づかない。40秒を10分に引き伸ばしているから。10人ぐらいの人の列に割り込んでくる男がいる。1メートル進むのが2分くらいかかる。割り込まれた女性が嫌な表情に変化する。その時隣の隣の人の表情と更に隣の表情が微妙に動く。何処までの範囲でその人間の割り込みに変化をもたらすのか、その人間の自然な反応は興味深い。
3人の女性の悲喜こもごもの会話。これも超高速度撮影で瞬きが3秒くらいかかる。頬の筋肉のゆれが3秒くらいかかって移される。足の動きも動いているのかどうか分からないくらい遅い。昨日の上杉のダンスを髣髴とさせる。しかしダンスは随意筋の動きは遅くできても不随意筋の動きは遅くすることはできない。
キャサリンの部屋という作品がある。キャサリンがある部屋で一日にとる行動を朝昼晩その間と5つの時間帯に分けて撮影して同時に5つの画面から流す。見た瞬間同じ部屋に同じ人間がいて違う時間帯に違う行動をしていると想像できる。しかしこれが全て違う部屋で違う人間だとしたらもっと面白いなと思った。今度そういう建物を作ってみたいという欲求にかられた。フラットな構造とは必ずしも大きな一つの空間である必然性はない。

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