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信山ばり

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昨日上條信山の生誕100周年記念展覧会を松本市美術館で見てきた。松本は信山先生の生まれ故郷である。

思えば不思議な縁である。上條先生は日本の10筆にはいる書家である。そしてかみさんの師匠だったのだが、筑波大学の教授でもあり私の母校と縁が深く、学校名の銘板を書いた先生である。そして上條先生の弟子が、私の中学時代の書道の先生であり、その先生は現在信州大学の教育学部の教授であもある。そして上條先生は長野高等師範の卒業なのだが長野高師は現在の信大教育学部なのである。上條先生は結婚式のかみさんの唯一の来賓だったが、その先生が亡くなった後で僕が長野に来るようになるとは皮肉なものである。

上條先生は私が最も好きな日本の書家の一人である。氏の書法は信山ばりと言われる独特のものである。それは自然な字の流れにわざと逆向きの流れを与えるのである。左払いの場合自然な流れは筆は右回りするのだがあえて筆を左回転させるのである。それによって、払いに異常な緊張感を与えるのである。逆の払いも同様なのである。そしてその緊張感を作る力を氏は骨力と呼んでいたそうだ。骨の力である。そして弟子たちはこの緊張感を出すために連日徹夜するのだそうだ。

そして僕はこの緊張感が好きである。実はかみさんが生前もらったか買ったか知らぬが師から頂いた書があり、僕の書斎に掛けてある。「自香」という文字である。自ずから香るである。いい言葉である。まだその言葉の意味さえよく理解できていないが、何時かその域に達することを願っている。

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