« 卒計を考えるシンポジウム | メイン | 米軍基地 »

ノリを悪く

千葉雅也が世の中のノリから一歩引いて、専門分野にディープに引きこもるのが勉強だと『勉強の哲学』に書いていた。つまり勉強するとノリが悪くなる。しかしディープに引きこもるのもひとつのノリに過ぎないから専門分野と世の中の二つのノリの間に身を置き双方に違和感を感じながら新たな言葉を紡ぐのが勉強でありクリエィティブであるという。

もうすぐでる拙著『建築の条件』も建築の世の中のノリを9個詳述した。そして多くの建築家がこの条件に縛られている。(自分も含めて)。しかしそれではダメなのである。自らのディープな探求と世の中のノリの真ん中で新たな言葉を紡ぐのがクリエイティブな建築なのである。ということで建築の条件の副題は-「建築」なき後の建築とする予定である。

学生の卒計に何を求めるかという話で西牧さんは若手建築家のアイデンティティの欠如を嘆いていた。中川さんを始めみなさん同様なことを言っていた。なにか今年のレモンは皆小ぶりで、リノベで、ソーシャルで、身の丈でと判を押したように皆「右に倣え」だったというのが、初日の審査員の皆さんを含めた感想のようである。つまり「建築の条件」に上手に模範解答を出しているのである。社会のノリにそのまんまノっているのである。ノリを悪くしないと!!来年からは。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://ofda.jp/lab/mt/mt-tb.cgi/8670

コメントを投稿