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ノレないこと

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この本輪読本に入れておくべきだった。千葉雅也『勉強の哲学—きたるべきバカのために』文芸春秋2017は完全に建築の哲学と読み替えられる本だし、最近建築で僕が考えていることがそのまま一般論として語られている。
曰く人間は基本的に環境というノリに乗っ取られている。勉強をするということはその専門分野のノリに乗り換えることで、それは一般のノリに乗らないことなのでノリの悪い奴になるということである。そして複数のノリの狭間で板挟みになってどちらにもノレない状態に新たなクリエィティブな状態が、真の勉強があるという。
建築はまさにそうである。大学で教わった篠原スクールのノリがあり日建設計で教わったノリがある。これは全く違うものだし、それぞれがいいねというものはぜんぜん違う。しかしそれぞれに所属していた自分はそれぞれの環境で適当にノッテいた。そして今は別にどこにも属していないのでどこにノル必要もないのだが、世の中一般というノリがある。それも日本とスペイン語圏と英語圏ではこれも全くノリが違う。そしてそのどれかにノッテはいけないのである。どれにも乗れないで困っているダサい奴にならないと建築は作れない。そしてそこにクリエィティブがあり勉強がある。大学生にはまだ早いかもしれないけれども。

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