桑原くん
東大美学で建築を教えていたのが今から10年以上前。その頃の学生とその後3つの本の翻訳をした。当時の東大での授業は濃厚でその後その講義録が『建築の規則』となった。また授業の中に4つの見学があり、連窓の家、ガエハウス、ハウスSA、岩岡自邸の四つを見学して毎回5千字のレポートを書かせそれをその建物のオーナーに評価してもらうという今から考えるととても贅沢な内容だった。そしてそのレポートがさすが文学部という読ませるものだった。その中で岩岡さんが最優秀に選んだのが桑原くんのもので彼はその後大学院に残り我が家で書道を学び結婚して一児の父となり、4月から無事我が家の近くの大学で教職に就くことになった。そんなわけで久しぶりに我が家にやってきた。
当時の教え子は彼のように大学の先生となったり、新建築の表紙を飾る建築家となったり、ロンドンでアーティストになったり、様々な活躍をしているようで嬉しい限りである。