予算配分
公表されている資料を見ると、私立大学(理科大、早稲田など)の学生一人当たりの予算規模は年間約200万円である、これに対して旧国立大学のそれは約400万(信州大学)、約500万(東工大)、約800万(東大)くらいである。つまり旧国立大学は私立大学の2〜4倍の予算規模を持っている(この時点で国の姿勢に少々疑問をもつが先ずはそれをおいておこう)。
この予算がどのように配分されるかによってその大学の経営方針あるいは重点方針が明確になるのだがそういう指標は公表されている資料からでは正確にはつかめない。しかしたとえば次の事実は理科大の重点方針の遅れを如実に示す。東工大の国際部の事務員の数が72人で理科大のおそらく5倍くらいはいるという事実である。理科大は東工大の倍の学生数がいるから学生一人当たりで考えれば東工大の国際部の事務員は学生一人当たりに換算して理科大の10倍いるのである。予算規模は2.5倍なのに事務員の数は10倍ということは予算配分において理科大は国際推進が過小評価されていることとなる。少々悲しい。
しかしもちろん理科大が国立大学に比して圧倒的に優位な側面もある、潤沢な研究費と図書費などである。つまり理科大の予算配分はおそらく伝統的に研究重視なのである。それはそれで喜ばしいことである。しかし少し見直してみる時期なのかもしれない。特に国際推進については喫緊の課題である。この事務員の数で言えば東工大がクイーンエリザベスなら理科大はゴムボートである。ゴムボートで世界に旅たつのはさすがにしんどい。せめてヨットくらいにはして欲しいものである。