帝国オスマン
帝国読書、林佳世子『オスマン帝国500年の平和』講談社学術文庫2016を読んでウィーンで感じたオスマントルコの包囲網を南側から感じることができた。ウィーンでは少し前まで対オスマントルコ防衛の法律があったと聞くからハプスブルク家とオスマンとの対立は相当なものがあったのだろう。オスマンは最終的には大帝国にはなったもののハプスブルクとサファヴィーに挟まれて右往左往していた時期もある。
さて建築の話になると15世紀にイスタンブールをヴィザンツから奪いモスクを建てるのにヴィザンツの教会を転用したのである。そのおかげでアヤソフィアなどがそのまま残っている。そうした柔軟な姿勢が多様な宗教文化を許容する国を生んだのだろうか?帝国としてはこういう多様種許容型はそう多くはないのではなかろうか。そういう目で見ると面白い帝国である。