新しい建築フィールド
水野大二郎+ファッションは更新できるのか?会議実行委員会『ファッションは更新できるのか?会議——人と服と社会のプロセスイノベーションを夢想する』フィルムアート社2015の中に水野大二郎は「ひろがりとゆらぎ、角度と精度、ひとりで速くとみんなで遠く—インターネット全体社会のファッションデザインを想像する」という長いタイトルの論考の中でこれからのファションデザイン界を上のマトリックスにまとめている。
このマトリックスは横軸に、個人⇄組織、縦軸に、遠く(間接ビジネス)⇅速く(直接ビジネス)が設けられている。つまり従来の個人ブランドは左下、組織ブランドは右下でありこれらは原則ビジネスとして商品を作っていた。それは基本的には世界的に成長することを目標としていた。一方マトリックス上部はセルフクリエートの場を想定しており原則ビジネス的ではない。そうした野生のクリエーターが集団化すると新たな創造が生まれる。
そんな図である。このマトリックスが実に建築界にもあてはまるので赤で少し書き込んでみた。この場合左上のセルフビルドの野生の建築家は単に生きられた家を作っていた住人を超えた存在と言えるだろう。その野生の建築家が集まったところに生まれるさらなるクリエーションはまだそれこを夢想段階である。