伊藤くんの新作
昨日、昨年のSDレビューで鹿島賞を受賞した伊藤博之さんの辰巳アパートメントハウスを見に行った。佐藤さんの構造で、驚異的な縦横比であることも見事だが、シンプルで明快な構成が目をひいた。EVホールをテラス化した平面。梁せいを使った断面。素材の使い方も無理がない。
こういう建築に対してある立場の方はなに無理して効率悪いことしているんだと言うかもしれない。幾つかのロットをまとめてビッグビルを作る方がマシだと言うかもしれない。しかしそれは違う。こういう小ロットに歴史があって、そのロットだからできる形態に場所性が現れるのである。何でもかんでもまとめたロットにしで日本中どこでもおなじボリュームを作り表面だけエコロジカルという免罪符を貼り付ける建築こそ考え直すべきはずである。