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皆川明の生き方

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去年末にカーサブルータスの特別編集号で皆川明が特集された。その中の西谷真理子の文章を読んでいると皆川明の人となりが浮き上がる。
もちろんファッション界ではとても有名なデザイナーではあるけれど、ちょっと変わったデザイナーである。肩肘張らない、ファッションだけではなくて生活、生き方全てにある哲学を感じさせる人である。そして何よりもその精神がとても豊かである。
こういう人物像に人は憧れる。建築もそうなのだろうと思う。よく建築家や建築の社会的地位は低くて、日本の民度は如何なものかと疑問視される。オリンピック問題でも建築業界はまったく力不足のように言ったり、書いたりする人がいる。しかしそういう人がいくら騒いでも結局民度なんて上がらないだろうと思う。そういう風に騒ぎ立てる人たちは、政治家と同じようなものにしか映らない。人々はそんな評論家のプロパガンダを見たいのではない。建築や都市を作る人が実際豊かな精神を持って豊かに生きている生き様を見たいのである。

いや社会的使命を負った建築はそれではいかんという人もいる。半分賛成である。しかし騒ぐ裏には政治的胡散臭さが漂うのである。その胡散臭さを人々は敏感にかぎ分けひいてしまうのである。建築はあっという間に政治商品になり、イデオロギーになるのである。先ほどやっと全校生が終わったコンクリートカルチャーの一章はそんな内容に割かれていた。

皆川明のような建築家が豊かな精神と、豊かな生活を実践している姿こそが社会を変える最も大きな力なのだと西谷の文章を読みなが思うのである。

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