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仮説があるのか?

3年生の建築空間論の講義は2回講義してそれに関連してグループプレゼンをさせている。そのプレゼンを聞きながら思うのだが、よーく勉強しているけれど単なる知識の羅列で終わるものが多い。なのだが今日は僕の講義より面白いと思うものがいくつかあった。その差はどこにあるかというと「仮説」があるかどうかという点にある。これは今やっている博士論文の審査でも話題になっているのだが、仮説がないと論文の背骨ができないのである。例えば資料の選び方ひとつとっても、仮説があってそれを論証するためにそれは選択されるのであり、珍しい、希少だからという理由からだけで選択されるのではない。
僕はカタルーニャ工科大学で来春博士論文の審査をするのだが、この大学では審査員は公開審査の前に所見を書いて大学に提出する仕組みになっている。その所見表にはすでにhypothesis used(使われている仮説は何か?)という問いが入っている。仮説を論証するのが論文の枠組みとして確立しているのである。仮説を論証するというのは、意匠論のような人文的な枠組みであろうと、構造、設備のような工学的枠組みであろうと必須なのである。

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