眠らない社会
ジョナサン・クレーリー岡田温司監訳、石谷治裕訳『24/7眠らない社会』NTT出版2015を読んでみようと思ったのは彼が視覚文化論の古典的名著『観察者の系譜』の著者だからである。そしてその共通点は前著が視覚にゲーテの生理光学が入ったことによる変化を論じている。今回はインターネットが人間を四六時中追っかけまわすことで人間社会は不眠になるという話だが、90年以降のドラスティックなネット環境の変化を問題にしている。そしてそれに対してどう対処するべきかということでの」著者の示唆は「「待つ」ことを知ること、誰がそれを必要としているのかと問いかけること、夢想や白日夢にその本来の価値を取り戻してやること、1960年代のカウンター・カルチャーを積極的にに再考すること」と監訳者の岡田氏が記している。結構重要な示唆である。