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建築理論を語る難しさ

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東京大学建築学専攻編『これからの建築理論』東大出版会2014によれば東大の建築学科では建築学専攻に4つの軸を作っているという。それはデジタル、サスティナブル、メディア、そしてシンクタンクだそうだ。どこにでもありそうなテーマではあるが、早速行動に移し、本まで作っている行動力が素晴らしい。とまあそのお膳立てはともかく、本の内容はいささか散漫ではある。隈研吾司会の原、槇、磯崎鼎談は目玉なのだろうが、まあお話はまったく噛み合わない。それは彼ら自身言うようにその昔はまだしも、30年くらい前から3者の間に会話も何も無いという状況なのである。それはそうだ80年代のポストモダンとは皆が好き勝手を語る時期なのだから。
こういう本を読むと、建築理論を語ることの難しさを改めて感ずるのだが、もう少し議論の範囲を絞れば噛み合うのだろう。その手の現代建築理論を系統だてた参考書(洋書)に沿って、その中のどこを扱うかを定める必要があるだろう。もちろんそのどこをテーマとするかを決めるのが難しいかもしれないが。僕なら現象学とその限界などが面白いと思うが。

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