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スターアーキテクトの問題点はここにある

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磯崎がこれからの建築界の原理にスターアーキテクトを外せないとしているが、スターアーキテクトというからには単なる有名建築家というだけではあるまい。これは映画スタートのアナロジーで出てきた言葉であるから、映画スターの持っているような力や役割を兼ね備えているはずで誰かがそういうことを言っていないかと思っていたらこの本に書かれていた。Donald Mcneil The Global Architect Firms, Fame and Urban Form Routledge 2009 ここで著者はこう言う

「スターシステム、あるいはスターを使うということは20世紀の映画産業の多くにおいて映画製作、映画ジャンルの基礎を築く上でのリスクを減らすために行われてきたことである。・・・中略・・・スターの力が映画需要を喚起するのと同様に建築デヴェロッパーは時として懐疑的になる公衆や市場に対して建物の需要を喚起するスター建築家の重要性をよくわかっているのである。

さらに著者はこういう

「画期的な仕事をなした映画スターは危険を冒したがらない心配性のプロデューサーを満足させる最初の役割を繰り返しステレオタイプ化して、批判される。同様にスター建築家もリスクを恐れるクライアントからは同じスタイルを繰り返すことが期待される」

というわけで世界に同じアイコンがスタンプされ続けるのである。僕が一番問題だと思っているのはこの同じアイコンスタンプによってスターアーキテクトが怠慢化することと、ローカリティーの無視なのである。

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