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批判的地域主義は有効か?

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今日の大学院講義のテーマは「コンテクスト」である。フォーティーはBBPRの一員だったエルネスト・ロジャースの批判的概念である「その場所に先在するもの」をコンテクストが生まれる始まりだったと説明する。しかしもう少し歴史を長―く見ると重要なのは有史以来世界はグローバルとローカルのあくなき戦いの歴史だったのである。ローマ帝国に始まる帝国の建築は小さなグローバリズムであり、帝国が崩壊した後に近代の帝国主義の時代が次のグローバリズムであり、そして現代は第三のグローバリズムである。コンテクストとはこの第二のグローバリズムに対する批判概念に過ぎない。そして第三のグローバリズムは国家的帝国主義ではないものの資本主義に内在する帝国によって動かされている。流動する資本の偏在が世界中に判を押したような建築を生み出すというのが現代なのである。その建築は世界中で投資の対象として機能している。
ツォーニス&ルフェーヴルによって生み出された批判的地域主義はネオリベラリズムが猛威を振るう前は効力があると感じていたが、もはや建築的批判力では現代の状況を変えられるとは思えない。もっと地球規模での経済原理の問題なのである。

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