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借りの哲学

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人間社会はもともと贈与に対して借りを意識しそれに返礼をしていた。それに対して貨幣が生まれ資本主義社会となり人は物の等価性に重きを置き等価交換を行い等価性が崩れると負債を生む社会となった。ナタリー・サルトぅー=ラジュは(高野優、小林重裕訳)『借りの哲学』太田出版2014の中でこうした等価交換―負債の関係を批判し贈与交換―借りの関係を復活せよと言っている。その理由は、贈与に返礼をするとその価値は必ずしも等価ではないのでつねに借りの意識がどちらかに働き贈与返礼が継続的に続く。その結果そこにお互いの信頼の人間関係が生まれるのだと言う。柄谷行人も贈与による経済活動を推奨していたがその本質を良くつかめなかったが。要はこういうことなのであろう。人間関係を継続することに意味があるといいうことだ。

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