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イギリスの中心市街地活性化に学ぶ

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なぜ日本の中心市街地は衰退したのか?郊外に大型店舗ができたからというのがよく言われることだし、それも確実に一因である。足立基浩『イギリスに学ぶ商店街再生計画―「シャッター通り」を変えるためのヒント』ミネルヴァ書房2013によれば20世紀終わりにできたまちづくり三法で大規模小売店舗立地法が変わり大型店舗が出店しやすくなったわけだが、それは皆よく知るところ。問題はその先である。著者の分析では、日本の中心市街地の土地は個人所有が多く、かれらはバブル期にある程度の富を得てその後店を敢えて貸すなりして活性化しようとは思わない。そこに来て郊外に大型店舗ができたのだから勝ちめがない。これに対して、イギリスの中心市街地は借地が多く、行政の指導がきめ細やかなので様々な展開が可能となる。加えて郊外大型店舗と中心市街地を共存させる事前の調査、事後の対策が確実に行われているということである。
それにしても一番大きな差は、イギリスの中心市街地には中世の建築的な環境が残っており人々のセンスオブプレースが価値として息づいている。そもそも場所が愛されているのである。一方日本の地方都市の中心市街地が建築的価値を十分に保持しているところはそう多くはない。この差をどのように建築的に埋めていくのか?これが大きな問題のようにも思う。

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