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それってプラグマティック?


外国へ行く鞄の中にいれておいて読んでいなかった『プラグマティズムの作法―閉塞感を打ち破る思考の習慣』技術評論社2012を読む。パースのプラグマティズムの定義はどこかで読んだことがあったがこの言葉はインパクトがある。
ものの概念とはその効果、特に人間の行動に影響を及ぼすような効果と同義だというのである。別の言い方をすると人の行動に影響を及ぼさないようなものは無いも同じ、考えることも無駄であるということになる。これはヴィットゲンシュタインの言う、語りえぬものについては沈黙せよということに通じるところがある。
著者は大学の教員として、世の中の研究には効果が期待できないような、何を目的でやっているのか分からないようなものが山とあり、それらは無意味であると言う。確かに学会などに行くと、研究のための研究がいろいろあり理解困難なものも多い。
僕も大学の教員として自戒の念を持ってこの本を読んだ。自分は意味不明な目的不明な行動をしていないだろうか?おそらく僕のことで言うならば、常に建築の設計あるいは意匠を前進、展開させることに効果のある講義であり演習であろうか?読書でありゼミであろうかと問い続けないといけない。もしそんなことをしても何の効果も期待できないと言うようなことがあればそれは少し考えなければいけない。反省も必要だろう。でも世の中には遠回りと言うこともあるわけで、必ずしもプラグマティズムが全てに優先すると言うわけでもないところが難しい。

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