建築は人を変える
午前中今年度早稲田の最初の講義。今年も40人弱の受講生で大半は女性だった。文化構想学部とは大半が女性だと思っていたのだが実は半々くらいだと知り僕の講義は女性向けなのだろうかと不思議に思った。
講義後新宿までタクシーを飛ばし12時半のかいじに飛び乗り塩山へ向かう。昨年竣工した児童養護施設の一年目検査。あらかじめ不具合を連絡してもらっていたがそれらはその都度直してきたので本日新たな不具合というのは数えるほどだった。
ちょっと驚いたのは合板で作ったテーブルの突板がかなり剥がれていたこと。こういう施設特有の現象だと思う。普通の使い方をしてこんなことにはおそらくならないだろう。しかし壊れたり汚れたりで気になったのはそれくらいで後は新品同様の状態だった。
またもう一つの驚きは真っ白な外装のサッシュ周りに全くの汚垂れが見当たらなかったこと。たいていサッシュの水切りの両端のどこかでシールに付着した汚れの線が出やすいものである。特に外装が真っ白ならなおさら。外装の断熱塗料に含まれる防汚物質(光触媒)が効いているのかもしれない。
またこの建物ではガスヒートポンプを採用しているのだが、改築前に比べて面積が2倍以上あるのに光熱費は数割しか上がってないとのこと。電気代は月10万以下だそうでこれもとても嬉しい話である。
園長先生にはこの建物に移ってからは子供の気持ちがとても安定して、前とは見違えるよう、この器のおかげですと感謝された。建築がここまで人を変えられるなんてちょっと信じがたいけれど、とにかく嬉しい話である。