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破天荒な知性

鶴見俊輔が現代思想の上野千鶴子特集に文章を寄せている。大学の先生になると自らの信念を曲げて体制的になる輩が多い。特に東大はそうなので東大は嫌いだと言っている。しかし上野の東大退官記念講演を読むと上野はそうでは無かったと評した。
なるほど経済学、政治学、法学、社会学まで、人文系の殆ど、加えて原子力やら都市計画など国策にかかわる理系のジャンルにおける大学教員=国の理論部隊でもある。これを拒否すれば冷や飯を食うことになる。それなのに上野は無視して尚冷や飯を食わずに済んだ類まれなる才能だと言うことである。
先日対談やシンポジウムはくだらないと書いたがこの人のは別である。予定調和はあり得ない。徹底して論点を明確にし、新たな地平を見せてくれる。どんな人間にもかみつき負けない。破天荒な知性である。
ところで鶴見俊介も大学を転々とした人だが真を曲げなかった1人だろう。小学校が高等師範で中学に行けずアメリカに行ったというのが当時としては破天荒である。そう言う知性はもはや無い。

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