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久しぶりの批評理論

娘の文化祭に行った。高校最後の年なので。演劇二つとダンスを見る。いやなかなか面白い。ダンスはセミプロである。黄色い声援が女子高らしい。図書館前では古本市。筒井康隆の『文学部唯野教授』岩波書店1990が売っていた。130円。10年以上前に読んだことがある。批評理論を学ぶには最良の入門書。笑い転げる面白さ。また読もうと思って書架を探したのだが捨てたのか失くしたのか分からないが見つからないので思わず買って帰宅後斜め読み。
明言されていないがこの本にはネタ本がある。テリー・イーグルトン『文学とは何か』岩波書店1997(1983)である。そして更にこの本には解説本がある。訳者である大橋洋一(東大教授)が書いた『新文学入門』岩波書店1995である。筒井康隆の本のモデルが大橋洋一ではないかという噂が流れたくらいである。
ところで彼らが注目した批評理論をあげてみると恐らく現代、使用に耐えられる批評理論はほぼ網羅されていると思われる。以下批評理論と掲載本を記してみる。
1、 英文学批評(イーグルトン、大橋)
2、 現象学、解釈学、(イーグルトン、筒井)
3、 受容理論、構造主義、ポスト構造主義(イーグルトン、筒井、大橋)
4、 印象批評、ニュークリティシズム(筒井)
5、 ロシア・フォルマリズム(筒井、大橋)
6、 精神分析批評(イーグルトン、大橋)
7、 ジェンダー批評(大橋)

批評と言うのは物事を解釈する一つの立場、見方である。筒井は文学を対象に書いているがこれはもちろん建築を対象としても何ら問題はない。この本来年の坂牛研のゼミ本にしよう。笑いながら批評理論を学べる。

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