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創造的破壊

タイラーコーエン『創造的破壊』作品社(2002)2011を読む。グローバリゼーションがもたらす文化的破壊を一般には否定的に見る風潮がある。それは世界が画一化されるという理由からである。しかし著者が示すようにこれまで世界は局地的なグローバリゼーションによって文化の多様性を作ってきた。それはそうである。鎖国していた日本が開国したことで日本は多様な文化を生みだした。選択肢を広げたともいえる。そして日本文化がすたれたかと言えばすたれた面もあっただろうが、豊かになった面も確実にある。文化的帝国主義があるからナショナルな文化意識は高まるわけである。これは八束さんが言っていたことでもある。
僕らは現在のグーロバリゼーションにかつてとは異なる脅威を感じている。それは経済に裏打ちされた全世界規模を持っているからである。しかしそれは正しい判断なのか?これも文化の多様性を生みだす一つのカウンターエレメントとしてとらえてよいのではないかと著者は主張する。
著者の主張はにわかに賛成も反対もできないのだが、世界中でマックを見ながらもそれで世界が覆われることは無い、あるいはそうしたマックに常に批判的な人間が登場してくることも世界的原理であろうと感じている。そうなるとこうしたグローバリゼーションの力学の持つ多様性の創出力に目をつぶり闇雲にローカリティ―の肩を持つのもおかしな話だろうと言う気にはなる。
それにしてもこういう話を語る著者は一級の経済学者であるということが素晴らしい。文化を語れる経済学者が日本にはあまりいない。

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