伊藤君の新作
朝早くかみさんが義姉と四国に出かけた。間もなく娘が英検の試験に出かけ、僕は大学の書類を作ったりしていたらマンションの管理人さんがやってきた。下の階の機械室が水浸しなのだがその水が僕の部屋から垂れていると言う。確かに見てもらうと我々の家の機械室のとある部分から水が出て床が60センチ四方くらい濡れている。いや参った。パイプのバルブを閉めてもらい水は止まったのだが、、、、
午後伊藤君のオープンハウスに出かける。駒場東大前の住宅街に建つ5階建ての集合住宅である。各住戸は薄いこげ茶色の広間に面して少し天井の低い白い水回り諸室が洞穴のようについている。この関係性は面白いもので天地を90度回転してもその前後で空間性が維持される。写真を見よ。家に戻り書類の続き。風呂に入りながらコリンズの『脱常識の社会学』を読む。第一章は合理性の非合理的基礎。稲葉振一郎の書いていたネタ発見。稲葉さんの本は新書だからまあ註なしでもいいだろうけれど全く同じことがここに書いてある。社会契約論が国家の基礎だとホッブスは言ったわけだが、世の中を合理的に考えたら契約は成り立たない。なぜなら契約を破る方が儲けを理とすれば、合理だからである。だから社会が成り立つのは合理性によるからではなく、道徳性という非合理なものによるのであると説く。なるほど、それが脱常識ということである。