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思い出のヴェネツィア

朝、緑の窓口で来週行く富山への切符を買う。本当は飛行機で行く予定にしていたのだが、気づいたら売り切れていた。この夏はあっち行ったりこっち行ったりである。新宿からあずさに乗って松本に向かう。やることがいろいろあり、3時間半を有効に使おうと思いグリーンに乗ったのだが、大家族連れが横で大騒ぎしておる。おばさん声が大きいし子供の躾がなってないよ。電車は運動場じゃないのだから。
松本でキャンパス計画の会議を終えて長野へ。車中『昭和史戦後編』を読んでいたら、あの建築ノートを出している誠文堂新光社が『日米會話手帳』という本を出版して戦後の大貧困時代にたった3ヶ月で400万部も売ったと書いてあった。日本人の変わり身の早さも驚きだが、それを出している出版社の名前にも驚いた。
大学に戻り明日の試験の準備やら、メールの返信やら、一日分たまると読むのも返すのも結構手間。
カサベラの最新号が届いていた。ヴェネツィア特集である。写真をサーッと眺めるだけで一昨年の感動が蘇る。安藤忠雄のコンヴァージョンが載っている。それはヴェネツィアヴァナキュラーを美術館へ蘇らせたもの。クライアントは、クリスティーズ他のオーナーであるフランソワ・ピノー。そしてその改築用の建物を貸与したのはヴェネツィア市長である哲学者のマッシモ・カッチャーリ(2007年から市長になっていたとは知らなかった。これはイタリアという国の文化の奥深さによるものなのか、カッチャーリという男の政治力によるものなのかはよく分からない)。既存建物の物質的な重みに圧倒されながら写真を見ていたが、文を読んでこの関係者の陣容にも度肝を抜かれる。グローバルな場所にはグローバルな人々が集まるということか?それにしてもこのあまりに正攻法的な建築にはうんざりである。物対物、構成対構成のこのつくり方はあまりに写真的である。所詮ピノーは情報を使ってものの価値を高めることしか考えていないのでは?それならそんな男に建物を貸したカッチャーリは何してんだということになるが、、、、、

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