ぶどう棚
朝のあずさで塩山へ。スイカで出ようと思ったらポケットにも鞄にも無い。電車の中か新宿駅かで落としたみたい。見つからぬままクライアントの迎えの車でオフィスへ。
6月初旬に初めてクライアントにお会いしてから1ヶ月たった。その間研修生のガレスを含めてナカジ、竹内君、僕と4人がかりで数十案を作ったうちから3つをブラッシュアップして持参した。今までやったことの無い施設なだけに作ったものが全く的外れだったらという不安もあったが、狭い敷地で条件も厳しいなかでこちらとしてもその可能性の範囲は見極めているつもりではあった。打ち合わせをしているうちに相手の意図していたおぼろげなイメージとこちらの案の何かがなんとなく合致していることが分かってくる。どうにか3つの案のうちの一つをこれから進めていく基本とできそうである。とりあえず今日のプレゼンは機能した。塩山駅から電話があり、スイカをいれた名刺ケースは松本に到着しているとのこと。しかし今日は幸か不幸か東京へ戻る。
施設の昼食をご馳走になり、引き続き午後の打合せをし、終了後施設を再度よく見せてもらい外にでる。建物周囲はブドウ畑が広がる。ぶどう棚はおばさんたちが手を伸ばせば届く高さなのでとても低い。1メートル60センチくらいだろうか?その下に広がるぶどうに被せられた無数の白い袋を透過する緑の光はネトの作品のようでもある。いやむしろネトよりよほど幻想的である。
帰りの電車の中、ソシュールを読み続ける。有名なターム「シニフィアン」、「シニフィエ」が「聴覚イメージ」、「概念」に置き換わる。それによって双対性が明確となる。そして「シニフィアン」とは「意味するもの」ならなんでもいいのではなく、基本は「音」で「文字」ではないことが分かる
新宿に着いて事務所に帰る前にタワレコに寄る。I AM ROBOT AND PROUDの新しいCDが出ていた。店内はいたるところでマイケル・ジャクソンが流れている。