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事務所と大学

事務所にいるときは比較的静かに作業をする習慣がある。打ち合わせの時以外は誰も話さず騒がずである。一番うるさいのはたまにやってくるメーカーの営業か、洋書屋のおじさん。夜の誘いに立ち寄る悪友も黙々と仕事をする雰囲気に驚いて帰る。用事で立ち寄るかみさんもまじめな空気に長居は禁物と、さっさと退散する。というわけで僕も必要最小限のことだけを口にする。一方大学に来るとなぜか事務所の数倍話すことが多い。それは事務所での欲求不満が爆発するからではない。大学ではとにかく人と会って何かをすることを集約しているからである。何かを考える場はここにはない。何かを聞いて発言したり、未決事項を決めたり、お願いをしたり、お願いされたり。会議、試験、面接、打ち合わせ、電話連絡、ゼミ、ワークショップ、などなどなどなど。事務所と大学ではジキルとハイドの差である!!事務所は思考の場。大学は生産の場になっている。普通は逆なのだが。

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