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思考実験

7時半のアサマは途中大宮と上田しか止まらない。あっという間に白銀の長野である。午前中就職リクルーターの方にお会いし、昼から会議。今日は睡眠不足で頭が痛い。会議後重い頭でツォーニス&ル・フェーブルの英文を読む。原稿校正でどうしてももう一回読まざるを得ない。彼の英語は比較的読みやすいのだが知らぬ単語が結構ある。夕食後、明日の講評会で発表してもらう学生作品の選択。60個の中から約半分を選ぶ。明日は坂根さんと中村さんの二人が来てくれることになっている。楽しみである。その後また頭痛がひどく英語は少しおいておき鞄に入れておいた竹内薫の『もしもあなたが猫だったら』中公新書2007を読む。竹内さんは科学ジャーナリストだが、科学史が専門分野だけあって哲学も詳しい。プラトンの国家を原文(ギリシア語)で一年かけて読んだそうだ。そしてカナダに留学したときは哲学科に入学。ところが先生が英文の『国家』を一週間で読んで来いと言ったそうで喧嘩して科学に移ったとか。
と言うわけでこの本にはプラトンのことが少し書かれている。竹内さんによれば哲学とは壮大な思考実験。そして『国家』の国家観は共産主義。マルクスによく似ている。プラトンの思考実験は共産主義国家として現実のものとなりそれは前世紀後半に瓦解した。しかし、それでも人のことをまるで考えない日本の政治家よりプラトンの方が魅力的だと竹内さんは言う。

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