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視覚

なるほどアルパースという人はジョナサン・クレーリーと並んで視覚の発掘者なのだそうだ。それまでの近代的視覚の定説はマクルーハンの活字文化論でありパノフスキーの遠近法、そしてマンフォードのバロック都市、西洋近代哲学の本質を「見ることに」に見るローティーなどである。そうだよなあ、マーティンジェイがあげた近代の3つの視覚が遠近法とバロックとオランダ17世紀美術の視覚と書いているのを読んだときはちょっとビックリした。この初めて登場してくるオランダ美術が驚きだった。このオランダ美術的視覚を発掘したのがアルパースだったのである。丸善から届いた『視覚と近代』大林信治・山中浩二著、名古屋大学出版会2000を読むとこのあたりの視覚の系譜が丁寧に説明されている。そもそも考えてみれば僕の20年以上前の卒論は遠近法とアクソメがテーマでありその意味で視覚だったのである。最近まで視覚なんてこの二つだと思っていたが浅はかである。しかし再びこのテーマに再会したのはなんとも嬉しい。少し掘り下げてみたいところである。

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