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歳#2

4月28日
今日はかみさんの誕生日である。僕より3日若い。しかし先日オフクロから聞いた話だと僕は一ヶ月早く生まれてきたようで普通に生まれていればかみさんの方が一ヶ月先輩ということになる。そういう話は聞く耳持たぬという顔のかみさんに「おめでとう年女」と言ったら黙殺された。
一日原稿を書き食後ビールを一本飲んで風呂に入ってベッドで高階秀爾『芸術のパトロンたち』岩波新書1997を読む。1401年フィレンツェ大聖堂に付属する洗礼堂入口のブロンズ扉のコンペがあった。高階によればこのドアは都市国家フィレンツェの国家としてのシンボルを決める国家事業だという。東京タワーがコンペに出るようなもの。と言えば言いすぎだろうがそれに近い。それに対して二人の人間が残る。フィリッポ・ブルネレスキとロレンツォ・ギベルティである。結局ギベルティ案が採用されるのだが、このコンペで目を見張るのは残った二人の年齢である。当時ブルネレスキ24歳、ギベルティ20歳である。参加者全員がこのくらいの歳だったわけではなく、並み居るベテランを抑え彼らが最終審査まで残ったようである。いかに当時のフィレンツェ市民が新たな芸術の風を取り入れたかったのかが伝わるし、それによってルネッサンス芸術が始まるのだろう。しかしそれにしても国家のシンボルをデザインするデザイナーにならんとしたブルネレスキの歳が私の半分。二回り下。親と子である。愕然とする、、、、、、、というのは自惚れか?

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