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空間否定

午後事務所に東工大の奥山さんと鹿島出版会の川島さんが来所。2時から7時頃まで延々新たな住宅論の本の企画の確認をした。篠原先生の遺作を最後に据え、70年代にデビューした建築家へのインタビュー5本ととその弟子の世代の論考10本をまとめた本を作ろうというもの。先生の死去に伴い企画を変えるかどうかという会議だったが、変えないでこのまま行こうということになった。内容の確認とギャラ、写真代などかなり細かいところまで打ち合わせ。しかしスケジュールは僕が論文で多忙なのと先生の遺作が来春着工ということもあり、インタビューも来春。出版予定は再来年の1月である。できたら教科書にできるような本になると思う。
ハイデッガーの「建てること、住むこと、考えること」の井上君の訳を読み直した。『言葉と建築』に書かれていたことを再確認する意味で。「建てることは、直接的にも、間接的にも、決して空間そのものを形づくるものではない」という言葉。ハイデッガーの空間否定が直接的に言い表されている。上記住宅論でも結局、空間の取り扱いに世代の意思が現われるはずである。篠原先生は空間だった。その次の世代は空間から生活になり、そしてその弟子の世代は?やはり空間ではもはや無い。

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