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2015年04月26日

マグリット展

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〇ルネ・マグリット「赤いモデル」(デュシャンが最も推奨していたマグリット作品)
マグリット展カタログより
国立新美術館でマグリットを見たあとでシュルレアルの話をかみさんとしていたのだが、マグリットのようにありえない組み合わせをする描き方以外にシュルレアルにはミロのようにオートマティスムで抽象的な絵画を描く人がいる。こういう抽象性は後に登場する抽象表現主義のポロックなんかとどう違うんだろうという話になった。ミロはあくまで深層心理を引き出そうとしているのに対して、ポロックは描く対象などを想定していないのだから大違いだろうと結論したのだが、帰宅してカタログを見るとシュルレアルの後世への影響として、ミロ、マッソン、エルンストなどの抽象性の高い絵画はポロック、ニューマン、ロスコらに深く影響し、マグリットとマグリットがシュルレアルの嚆矢と指摘したデュシャンはネオダダのジャズパージョーンズやポップのウォホール、ローゼンクイスト等に影響しているということである。なるほどそういうものか。

2015年04月18日

ローザスのドラミング

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アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル率いるベルギーのダンスカンパニー「ローザス」の代表作〈ドラミング〉を池袋芸術劇場で見た。ドラミングはスティーブ・ライヒの初期代表作(1971年)である。彼らはこの曲を全編使ってほぼ1時間強、休憩なしで踊り続けた。音楽もある意味既に古典的名曲、振り付けも素人目には軽快でオーソドックスなダンスの振りに思えるが、踊りのキレがいい。衣装がまたエレガント。衣装はベルギーを代表するアントワープシックスの一人であるドリス・ヴァン・ノッテン。女性はキャミソールとパンツ、カーディガン、男性はワイシャツにパンツ。男性のパンツ以外基本は白。メインに踊る女性二人がオレンジのグラデーションのカーディガンを羽織っていた。照明に照らされて多様な素材のテクスチャーが浮かび上がっていた。
その全体感はむしろ古典的とも言えるほどオーソドックスだけれど一つ一つが研ぎ澄まされている。久しぶりにダンスを見て鳥肌がたつ思いをした。