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2013年04月21日

フランシス・ベーコン展

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国立近代美術館で「フランシス・ベーコン展」が行われている。初めて見るベーコンの歪んだ絵は強烈である。なんでこんな歪みを描くのか?多くの人がそういう疑問を持ち、それに対する明確な答えはない。ただ僕が感じ取るのは肉体が動きの中で瞬間的に生み出す歪みである。特にベーコンに影響を受けたダンサーが多いという事実もそのことを物語る。展覧会の最後にはベーコンの遺稿をもとにウィリアム・フォーサイスが踊りペーター・ヴェルツが動画にしてインスタレーションに統合している。このモーションを見ているとベーコンの絵が腑に落ちる。

2013年04月07日

カリフォルニアデザイン展

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国立新美術館で「カリフォルニアデザイン展」が行われている。カリフォルニアミッドセンチュリーのデザインの生成過程を分析した分かりやすい展覧会である。戦前の30年台から戦後の65年までを追うという時期の取り方が的確だ。そしてその戦中の活動こそがカリフォルニアデザインを生んでいると言うよく言われる指摘だけではなく、それ以前の移民たちの集積が結実する様も的確に描写されていた。
カリフォルニアデザインの特徴の一つにプライウッドの流線型家具があげられる。木を曲げると言う意味では北欧家具と双璧をなすのだが、アアルトを見てきた目でイームズを見るとなんと滑稽なデザインだろうと思ってしまう。なんと洗練されていないのだろうと感じる。でもそれが西海岸の愛らしいところではなかろうか?
そもそも家具や自動車やポスターを東京に並べてもやはり感じがでない。あの西海岸の空気と光の下で見てこそこのデザインなのである(まあそんなことを美術館の展示で言うのも愚かなことなのだが)。
この笑っちゃうようなデザインこそがカリフォルニアなのだろうと思う。