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国立新美術館で「カリフォルニアデザイン展」が行われている。カリフォルニアミッドセンチュリーのデザインの生成過程を分析した分かりやすい展覧会である。戦前の30年台から戦後の65年までを追うという時期の取り方が的確だ。そしてその戦中の活動こそがカリフォルニアデザインを生んでいると言うよく言われる指摘だけではなく、それ以前の移民たちの集積が結実する様も的確に描写されていた。
カリフォルニアデザインの特徴の一つにプライウッドの流線型家具があげられる。木を曲げると言う意味では北欧家具と双璧をなすのだが、アアルトを見てきた目でイームズを見るとなんと滑稽なデザインだろうと思ってしまう。なんと洗練されていないのだろうと感じる。でもそれが西海岸の愛らしいところではなかろうか?
そもそも家具や自動車やポスターを東京に並べてもやはり感じがでない。あの西海岸の空気と光の下で見てこそこのデザインなのである(まあそんなことを美術館の展示で言うのも愚かなことなのだが)。
この笑っちゃうようなデザインこそがカリフォルニアなのだろうと思う。