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AI WEIWEI

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AI WEIWEI 紫檀の立法体2009

森美術館でアイ・ウエィ・ウエィの展覧会が開かれている。AWWはオリンピックスタジアムをヘルツォーグと共同でデザインしたということで一躍有名になった中国の現代アーティストである。僕はその程度の知識でふらりと見に行ったのだが、作風がこうもミニマルな作家だとは知らなかった。ミニマルというかつまり、、、思いっきりアメリカっぽいと感じられた。中国アート界は建築あるいは他の文化すべと共通するが、文革時代は毛沢東アイコンをまじめに作り、語り(建築では中国の伝統様式を鉄とコンクリートで作り)80年代の脱文革路線から天安門以降の90年代は新たな前衛芸術が登場する。しかしそれらは一見それ以前のアメリカや日本の物まねのようなパフォーマンスにも見える(建築では先進国のデザインが堰を切ったようになだれ込んでくる)。そして21世紀に入りアートは新たな政治、経済的問題への思想性を加えて、ミニマルなスタイルでスタートしたと、ものの本には書いてある。なるほどAWWはまさにそうした中国アート史の真ん中を歩いているのだろうか?上の写真は会場の入り口部分に置かれている紫檀でできた1m角の立方体である。その隣にはプーアールの茶葉で出来たやはり1立方メートルの立方体があり重さが1トンと書かれていた。茶葉は確かに中国風だが、基本的にAWWは中国の匂いがあまりしない。ということは文革当時中国にいなかったのでは?と思ったのだが、カタログを見ると彼がニューヨークに渡るのは80年代と書いてある。むしろ文革時代の詩人としての父の姿を見ながら、上手にそのころの中国を捨象しながら制作しているのかもしれない。

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