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2008年12月25日

附1お題

建築の規則は前回で終了である。今回は建築創作の原理ではなく建築を取り巻く状況として建築の先天性と後天性という話である。少し前までは後天的な建築の創作原理があった。メタボリズムなどはその良い例である。しかしそのリアリティが薄れた現在新たな後天建築創作の原理は生まれていない。一方で先天的DNAが薄れた建物に新たなDNAを注入する作業が時代の要請となって現れている。こうした要請は単体の建築で見るなら最近のトレンドでもあるのだが、街という塊で見たときにはこのような作業は実は普通の営みとして古来行なわれていることである。そこで前回の講義の補足を兼ねてそうした街に新たなDNAを注ぎ込むこととその関係性を概観してみた。
話を戻し後天的ニーズを予想した計画が廃れてしまったことを振り返ってみたい。メタボリズムが廃れたのは法的、技術的な問題であると指摘したが、そうした点が乗り越えられればこの考え方は未だに捨てたものでもないと僕は思っている。そこでもう少しこのメタボリズム建築の可能性を考えてみたい。ネットでメタボリズム建築を引いてみよう。その中で一つ自分の気に入った建築をとりあげ。その建築を批評してみてほしい。できればその可能性について論じてほしい。

2008年12月19日

第九講お題

本日のテーマは建築と敷地の馴染みである。馴染みということで言えば昔こんな経験があった。20年以上も前に、高松伸という建築家が織陣という名の小さなオフィスビルhttp://images.google.co.jp/imgres?imgurl=http://www.mediawars.ne.jp/~m921320/a_map/images_a_map/orijin_08.jpg&imgrefurl=http://www.mediawars.ne.jp/~m921320/a_map/map_of_kyoto_35.htm&usg=__z8VxExHlcd3js7oTx34j_NNeRlA=&h=200&w=150&sz=33&hl=ja&start=18&sig2=iNkgrjiEOrstHqqWmnIR2g&um=1&tbnid=ZvxaB-Eem6xHSM:&tbnh=104&tbnw=78&ei=c2NLSb3tK4y6sAPUzdyODQ&prev=/images%3Fq%3D%25E7%25B9%2594%25E9%2599%25A3%26um%3D1%26hl%3Dja%26rlz%3D1T4ADBF_jaJP298JP299%26sa%3DNを作った。それは京都の町並みの中に突如現れた奇怪な建物だった。真っ赤なたまねぎのような屋根を冠した真っ黒い石の建物であった。その建物は京都の町並みを破壊する暴力とも言われたが、その建物の前に立った僕にはこの赤いたまねぎが先ほど潜り抜けてきた平安神宮の鳥居を思い出させ何かこの街の空気に溶け込んでいるような気になった。無理やりそう思ったのではない。とても自然な感じ方だったと思う。
一方世の中には景観問題なるものがある。ちょっと前には景観法などという法律もできた。その法律は地方行政やnpoなどにより地域に即した条例の作成を促すものでユニークであるとも思う。しかしそうは言っても条例を現実化するには一律な形態や色彩の規制は避けられない。そこにおいては先ほどの赤いたまねぎの様なものは先ず規制対象にならざるを得ないだろうと思う。
われわれはここで法律の立て方を云々することもできるが、それはさておき、町並みの類似性について比較的直感的な嗜好を問うてみたい。京都の町並みのような類似なものの集まりが好きか?東京のようなカオスが好きか?もちろん好き嫌いのレベルだからそれで終わっても構わないが、そこで踏ん張ってその理由を示し私を説得してみてほしい。
去年の学生の答えは下記http://ofda.jp/t_lecture/2007/rule/bbs/2007/07/post_10.html

2008年12月15日

第八講お題

本日のお話は建物とそれ以外の物や場の関係を親父的(exclusive)、オフクロ的(inclusive)という言葉で説明した。そしてexclusiveな状態を作る建築の事例をみるとそこでの創造の原理としては1)プロポーション、2)象徴性、3)ミクロコスモスなどが見受けられた。一方現代建築はプロポーションなどと言うものに余りこだわらない。象徴性を形成するためのコンテクストを共有していない。閉じた箱の中でミクロコスモスを作る茶室のような発想は消滅し、開放的という言葉が標語のように連呼されている。
さて今日のお題である。「exclusiveな何か、inclusiveな何かを発見してそれらがその関係性を他と持つのはその対象がどのような原理によって成り立っているかを分析して欲しい。例を1つ挙げておこう。京都龍安寺の石庭。この庭石は大海に浮かぶ小島のように見立てられる。そしてその象徴性ゆえにこの庭はexclusiveなものと言えると思われる。このような調子でお願いしたい。

2008年12月07日

第七講お題

今回の授業に関する教科書のページ170から187をよく読んで欲しい。その中で新たなる部分設計として例示されている脱構築主義建築について建築家名と作品を一つ上げて批評せよ(ネットなどを駆使して建築家は自分なりに探してみること)。