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建築の条件

早稲田大学文化構想学部 複合文化論系 2010年前期 演習:生活環境感性論1(衣食住の感性研究)


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第9回 6章:主体性⇔他者性


フラ・アンジェリコ、受胎告知、1437−46、サン・マルコ美術館(フィレンツェ)、wikimedia

コンテンポラリーダンスグループ、レニ・バッソの主宰者北島明子は自ら振り付けをする立場ながら、「割り当てられた位置に、決められたタイミングでいく」ということに違和感を感じると言う。それは振り付けの概念をそもそも否定しているようにも聞こえる。しかしここで彼女はコンタクト・インプロヴィゼーションという、ダンサー相互の位置関係で振り付けが変わるような方法を編み出した。

つまりダンサーの主体性で踊りを見せるのではなく一つの主体と他者との関係性を見せる振り付けを編み出したのである。建築にも似たようなところがある。建築家が自らの強い主体性を打ち出すことに違和感を感じる人が多い。あるいは創作とは常に主体性と他者性の表裏一体となった化合物なのかもしれない。しかし主体と他者はそう簡単に線引きできるものでもない。