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建築の条件

早稲田大学文化構想学部 複合文化論系 2010年前期 演習:生活環境感性論1(衣食住の感性研究)


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第5回 3章 写真的(フォトジェニック)⇔体感的


ピエール・コーニック/CSH#22、
1960、ロサンゼルス、ジュリアン・
シュルマン撮影

篠原一男はよく美しいエレベーションが一つ 無いとよい建築にはならないと言っていた。 東工大100周年記念館の設計をしていた頃、 「その建物はどこから写真を撮るのか?」と スタッフによく聞いていた。建築を社会化す るためには、建築ジャーナリズムにおける写 真の重要性を篠原は強く意識していた。それ が住宅であればなおさらである。篠原に限ら ず、メディアを意識している建築家はル・コ ルビュジエをはじめとして数知れない。

しかし一方でいい写真がとれればいい建築か ? という疑問も湧いてくる。つまり建築は静 止した一点から美しく見えることではなく使 う人の体験の中で、つまり動的な視線の中で 現れるのではないか?という疑念である。し かしそうした体験的建築でもどこかにいい絵 がないと人に伝わらないというジレンマもあ る。建築体験をうまく伝える視覚とは?