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付1 お題

建築の規則は前回で終了である。今回は建築創作の原理ではなく建築を取り巻く状況として建築の先天性と後天性という話である。少し前までは後天的な建築の創作原理があった。メタボリズムなどはその良い例である。しかしそのリアリティが薄れた現在新たな後天建築創作の原理は生まれていない。一方で先天的DNAが薄れた建物に新たなDNAを注入する作業が時代の要請となって現れている。こうした要請は単体の建築で見るなら最近のトレンドでもあるのだが、街という塊で見たときにはこのような作業は実は普通の営みとして古来行なわれていることである。そこで前回の講義の補足を兼ねてそうした街に新たなDNAを注ぎ込むこととその関係性を概観してみた。
話を戻し後天的ニーズを予想した計画が廃れてしまったことを振り返ってみたい。メタボリズムが廃れたのは法的、技術的な問題であると指摘したが、そうした点が乗り越えられればこの考え方は未だに捨てたものでもないと僕は思っている。最近ITアーキテクトの神成淳司と宮台信司による『計画不可能性を設計する』の中では建築家のヴィジョンの欠如が非難されているが当たらずとも遠からずである。少し反省する必要があるかもしれない。
さて皆さんの専門領域において、後天性を計画する、あるいは計画されたものについてそれらを提示しその可能性についてコメントして欲しい。

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